「瀬戸内海だからこそできる再生可能エネルギーを」─そう語るのは、SETO iS POWER社長の藤原 清志氏。以前、ともつくラボでは潮流発電の未来とその挑戦について、藤原氏にじっくりお話を伺いました。本記事では、対談で語られた潮流発電の背景や仕組み、その可能性を改めて紹介します!
日本は、2050年までに温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引き実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目指しています。中間目標として、2030年までに2013年度比で温室効果ガスを46%削減することも掲げられており、エネルギー転換は待ったなしの状況です。こうした背景のもと、いま注目されているのが「潮流発電」という新しい再生可能エネルギーのかたちです。
なぜ、潮流発電なのか?
潮流発電は、海の潮の満ち引きによって生じる流れを利用して計画的に発電を行います。特長は、
- 年間を通して安定した出力が見込める
- 高精度な発電予測が可能
- 夜間でも発電が可能
- 日本の地理条件と相性が良い
潮の流れは1年を通して安定しているため、電力供給の基盤である「ベースロード電源」の一部を担える可能性があります。
暮らしに寄り添うエネルギーへ
幼少期を瀬戸内海沿いの港町で過ごした藤原氏は、こう語ります。
- 日常の風景だった“海の流れ”を、エネルギー資源として地域の手に戻したい。
- 発電システムは小さくて軽くて、扱いやすくする。再エネ業界のロードスターをつくる。
- 地域の暮らしの自立、誇りを取り戻すエネルギーにしたい。ワクワクする活動にしたい。
発電システムの設置では、瀬戸内海に浮かぶ未活用の台船を利用したり、軽くて耐久性に優れた素材を採用することで、地域の方々が維持しやすいエネルギーインフラにしていくことも考えています。私たちの潮流発電は、電気を生むだけでなく、その土地で暮らす人々と一緒に“再エネの地産地消化”を目指します。
現在、参画する4つの団体とともに、潮流発電の社会実装に向けた検証を進めています。この共創から、どんな新しいエネルギーが生まれるか、どうぞご期待ください。
藤原氏が語る、詳しい想いとビジョンは、特別対談をご覧ください。