いま、欧州ではこんな動きが進んでいます。
「新車に使うプラスチックの25%以上を再生材に。そのうち25%は廃車由来であること」を義務づけようというものです。
実際、BMWでは1台あたり平均約60kgの再生プラスチックを使用しており、これは車両重量の最大20%に相当します。また、2024年に日本でも発売予定のボルボEX30には、内外装の17%にリサイクルプラスチックが採用されています。
ただし、リサイクル材の活用を広げるには、いくつかの課題も。
バージン材と比べて物性が低い
不純物が残りやすく、外観品質が下がることも
「ケミカルリサイクル」などで高品質化する技術もありますが、その分コストが上がったり、環境負荷が増えたりと、一筋縄ではいきません。そこで、私たちが提案するのは、見た目に厳しい製品でも“リサイクル材を活かす”ための成形技術。
それが、Co-SF成形(コア・サーフェス・フォーム成形)です。この技術では、
2色成形技術により、表面には見た目が美しくなるバージン材を、内側(コア)にはリサイクル材を使用できる
さらに、コア材を発泡させて厚肉部分のヒケ(熱収縮による変形不良)を抑える
つまり、“あんこ入り”の2層構造で、見た目の良さと環境配慮を両立させています。
驚くことにこの技術、実は30年以上前に開発されたものなんです。ところが2023年、ある成形機メーカーの展示会で再び注目を集め、「今こそ使える技術」として脚光を浴びました。
まさに、温故知新。昔の技術が、いまの課題を解決する力になる。そんな事例のひとつです。