政府の政策の話というと、エンジニアには少し遠い話に聞こえるかもしれません。
でも実は、これからのモノづくりに大きく関わってくる動きがあります。
それが、政府主導の省庁横断プロジェクト「グリーン・トランスフォーメーション(GX)」です。
この取り組みは、
2050年までに温室効果ガス排出ゼロを目指しながら、経済成長も同時に進めていくというもの。
2023年度からスタートし、最初の10年間で約150兆円の投資が計画されています。
再生可能エネルギーの利用拡大はもちろんですが、それだけではありません。
デジタル変革(DX)も含めて、産業構造そのものを変えていこうという大きな流れです。
さらに、2024年度の税制改正では「戦略分野国内生産促進税制」という制度も創設されました。
これは、温室効果ガス(GHG)の削減に貢献する製品や、
半導体など次世代産業にとって重要な製品の国内生産を後押しする税制です。
認定されれば、法人税が最大40%控除される可能性があります。
例えば、
BEV(バッテリー電気自動車)を1台生産すると最大40万円の税控除が受けられる仕組みです。
対象となる分野は、次の5つです。
- 電動車(FCV、PHEV、BEV)
- グリーンスチール
- グリーンケミカル製品
- 持続可能な航空燃料(SAF)
- マイコン・アナログ半導体
この制度によって、米国の「インフレ抑制法(IRA)」のような国内投資の活性化が期待されています。
半導体のTSMCや、二次電池のCATLなど、海外企業の投資も対象になる可能性があり、
グローバルトップ技術と日本の技術の融合も進むかもしれません。
また、米中の覇権争いに過度に巻き込まれずに生産できれば、地政学リスクの低減にもつながる可能性があります。
そして実は、クルマ産業はこの①〜⑤すべての分野に関係しています。
電動車はもちろん、材料、化学、半導体、エネルギー。モビリティは、多くの産業の交差点にあります。
そう考えると、私たちサプライヤーにとっても、
この制度をどう活かしていくかは、意外と身近なテーマなのかもしれません。
