大型成形で広がるスーパーエンジニアリングプラスチックの可能性―大型成形対応技術が生み出す新しい価値― コラム

大型成形で広がるスーパーエンジニアリングプラスチックの可能性―大型成形対応技術が生み出す新しい価値―

私たちの身の回りには、さまざまなプラスチック製品があります。

例えば、100円ショップで見かける保存容器や収納用品にはポリプロピレン樹脂、

スーパーの食品トレーには発泡ポリスチレン樹脂、レジ袋やポリ袋にはポリエチレン樹脂が使われています。

これらは「汎用プラスチック」と呼ばれ、加工しやすくコストにも優れていることから、

日用品や家電製品、自動車部品、オフィス家具など幅広い用途で活躍しています。

一方で、先端技術の世界では、さらに高い性能を持つプラスチックが求められています。

今回は、その最上位に位置するスーパーエンジニアリングプラスチックと、その可能性を広げる大型成形技術についてご紹介します。

■プラスチックにも「最高峰」がある

プラスチックには、汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック(エンプラ)、

そして最上位に位置するスーパーエンジニアリングプラスチック(Sエンプラ)があります。

Sエンプラは、高い耐熱性や耐薬品性、耐摩耗性を備え、半導体製造装置や医療機器、エネルギー設備など、

先端技術分野を支える重要な材料として活躍しています。

■なぜ今、スーパーエンプラの大型化が求められているのか

これまでSエンプラは、加工の難しさとコストの高さから小型部品への採用が中心でした。

しかし近年では、その優れた性能を大型部品にも活かしたいというニーズが高まっています。

例えばガス圧縮機用シールリングでは、大口径化によって一度に処理できるガス量が増え、設備全体の効率向上につながります。

より多くのガスを効率よく圧縮・輸送できれば、省エネルギー化や運用コストの低減にも貢献できます。

水素をはじめとする次世代エネルギーの活用が進むなか、設備にはさらなる高効率化が求められています。

そうした期待に応える材料として、高い耐熱性や耐摩耗性を備えたSエンプラに注目が集まっているのです。

■大型化すると何が難しい?

製品サイズが大きくなるほど、成形時の加工温度や冷却温度のムラによって、部分的な収縮のばらつきが生じやすくなります。

その結果、反りや歪み、寸法ばらつきが生じやすくなり、高精度が求められる製品では大きな課題となります。

大型Sエンプラ製品では、こうした変形をいかに抑えるかが重要です。

■大型製品に適した「圧縮成形」という技術

こうした課題の解決に有効なのが「圧縮成形」です。

圧縮成形は、金型の中で樹脂をゆっくり加熱・加圧して成形するため、内部にひずみが残りにくいという特徴があります。

高精度が求められる大型Sエンプラ部品に適した工法といえます。

■スターライト工業の大型圧縮成形技術

高圧ガス機器向けシールリングのように、わずかな寸法誤差も許されない部品では、成形精度がそのまま製品性能につながります。

スターライト工業では、大型圧縮成形技術(最大成形可能サイズ:1,600mm)を活用し、

製品密度が均一で板厚ばらつきの少ない高精度な製品づくりを行っています。

また、一体成形による部品点数削減も可能なため、組立工数の削減や信頼性向上にも貢献できます。

■プラスチックの可能性をさらに広げるために

大型成形技術によって、Sエンプラはこれまで以上に幅広い分野で活用できるようになっていきます。

スターライト工業は、材料技術と成形技術の両面から、半導体、医療、エネルギー分野などの新たな課題解決に挑戦し、

プラスチックの可能性をさらに広げていきます。