近年、イランとアメリカの緊張関係を背景に、中東地域からの輸出の要所であるホルムズ海峡において、
輸送船の通航が制限されるリスクが顕在化しました。
この出来事により、エネルギーや物流が特定の地域に依存している現状と、その不安定さが改めて浮き彫りになりました。
「電気の固まり」と言われるほど多くの電力を必要とするアルミニウムの精錬は、
水資源が豊富な国での水力発電で作られるイメージですが、
実際は石油が安価な中東で、火力発電を使って生産されているケースが多いとされています。
また、原油についても、日本で精製しガソリンやナフサを製造するというイメージですが、
こちらも実際は一部のナフサにおいて産油国側であらかじめ分留・製品化された状態で、日本に輸入されています。
合理化が進み、必要なモノを必要な分だけと考えがちではあるものの、
生命維持に最も大事な水資源が豊富な日本は恵まれていることをあらためて感じます。
一方で、生活に必要なモノをためておくことは大切です。特に、上下水道と並ぶ重要なインフラである電力を貯め、
効率的に活用する仕組みとして、二次電池(蓄電池、バッテリー)があります。
身のまわりで今最も普及している二次電池はリチウムイオン電池(LiB)です。
LiBは高いエネルギー密度と低い充電劣化から、携帯電話から自動車、系統用蓄電池まで幅広く利用されています。
一方、LiBの普及が進むにつれ、発火リスクなどの安全性に関する課題に注目されています。
まず私たちがすべき行動としては「LiBは分別し、正しく廃棄する」事です。
これまで、携帯電話やクルマ以外では回収ルールが十分に整備されていませんでした。
政府は発火対策が不十分なLiB製品を販売する企業名の公表を通じて注意喚起を行うとともに、
使用済み品の安全な回収を進めています。
あわせて、エネルギー密度が特に高い三元系LiBからは日本では採取できないレアメタルが含まれるため、
資源回収の観点からも回収・リサイクル体制の整備が進んでいます。
電気自動車は、大型車の場合は約100KWhものLiBを搭載しています。これは携帯電話(約20Wh)の約5,000倍もの電池容量です。
よって自動車はLiBを構成するセル単位でのセンシングや発煙チェックを行い厳しく管理しています。
元々カーメーカーはより可燃性の高いガソリンを管理してきた実績があり、安全対策は進んでいます。
とはいえ、日本ではエンジン車の発火が年間約3600件発生しています。
その多くは老朽化やメンテナンス不足の問題なので、日頃のチェックが大切ですね。
