リチウムイオン電池は「熱との付き合い方」が重要 ともつくニュース

リチウムイオン電池は「熱との付き合い方」が重要

私たちの暮らしにおいて、電気は欠かせないエネルギーです。そして、その電気エネルギーを持ち運ぶためには「電池」が欠かせません。

電池には、一度使うと充電できない「一次電池」と、充電と放電を繰り返し行える「二次電池」があります。

特に二次電池は、ワイヤレスイヤホンやスマートフォンといった身近な電子機器から、

電動車(xEV)などのモビリティまで、幅広い製品に利用されています。

今回は、そんな二次電池に関する“ホットな話題”を紹介します。

二次電池と発熱の関係

二次電池は、充電や放電の際に熱を発生させます。

スマートフォンを充電中に本体が温かくなった経験がある方も多いのではないでしょうか。

近年では、充電速度の向上によって発熱の問題がさらに注目されています。

例えば、USB Type-Cは従来規格よりも高い電力で充電できるため、短時間で充電が完了する一方、発熱量も大きくなります。

電気自動車の場合も同様です。

家庭用充電では比較的ゆっくりと充電を行いますが、急速充電器では非常に大きな電力を短時間で供給します。

そのため、充電器から車載電池へ電流が流れる経路の抵抗によって大きな熱が発生します。

現在の電気自動車で主流となっているのは、リチウムイオン二次電池(LiB)です。

LiBは非常に高いエネルギー密度を持ち、小型・軽量でありながら長距離走行を実現できる優れた電池として広く普及しています。

リチウムイオン電池が抱える課題

一方で、LiBには火災や爆発につながるリスクも存在します。主な要因として、次のような点が挙げられます。

1. 電池内部に可燃性の有機溶媒が使用されている

2. 正極材料としてニッケル、マンガン、コバルトなどの活性の高い金属を使用することが多い
3. 不適切な温度条件で充電を続けると、「デンドライト」と呼ばれる針状のリチウム結晶が成長し、
 内部短絡(ショート)が発生する可能性がある

これらの問題に共通して関係しているのが、「熱」です。

熱を制することが安全性につながる

LiBは非常に繊細な電池です。

一般的に、適正な温度範囲を外れる環境で使用すると、電池材料の劣化が進み、デンドライト形成のリスクも高まります。

小容量の電池であれば、発生した熱を自然空冷で逃がすことも比較的容易です。

しかし、電気自動車に搭載されるような大容量電池では事情が異なります。

スマートフォンと比較して桁違いのエネルギーを扱うため、急速充電時には高度な熱マネジメント技術が不可欠となります。

現在のxEVでは、液冷システムなどを用いた温度管理が行われており、安全性と電池寿命の両立が図られています。

その結果、多くの車両で8年または16万kmといった長期保証が設定されています。

これは電池容量の維持性能を保証するものであり、BEV用電池の安全性が十分に確保されていることを示しています。

身近なところにある発火リスク

LiBの発火事故は、むしろ管理が行き届いた自動車よりも、小型電子機器の廃棄時に発生するケースが問題となっています。

例えば、電子タバコやワイヤレスイヤホンなどの小型製品にはLiBが内蔵されています。

これらを適切に処理せず、衝撃を受ける環境に置いてしまうと、内部で短絡が発生する可能性があります。

仮に回収や廃棄の過程で車両に踏まれるなどして損傷した場合、発火や爆発につながる恐れがあります。

その際には、人への被害を防ぐだけでなく、周囲にある他の製品への延焼を防ぐ対策も重要になります。

スターライト工業の発火対策ソリューション

スターライト工業では、独自開発した超薄型の発火対策シートを活用し、

小型LiB搭載製品を安全に回収・廃棄できるシステムを提案しています。

例えば、回収された製品の中に発火寸前の状態のものが含まれていたとしても、

何らかのきっかけで発火・爆発した際に、その影響を周囲へ広げないことを目的としています。

この発火対策システムは、高い剛性や耐衝撃性に加え、優れた断熱性能も備えています。

そのため、ひとつの製品で発生した熱を周囲の製品へ伝えにくくし、連鎖的な発火リスクの低減に貢献します。

LiBをはじめとした蓄電システムは、今後もさらなる性能向上と用途拡大が期待されています。

一方で、新しい技術が普及していく過程では、製品の成熟度や安全対策が十分でないことによる課題も少なくありません。

スターライト工業は、こうした新技術の発展を支えるとともに、

お客様や社会が抱える困りごとを解決するためのソリューション提案をこれからも続けていきます。